若葉はるかぜ便り
気付かぬうちに白内障が始まっているかもしれません...。
おうちの子は、眼が見えづらそうな素振りをすることはありますか?
「見えづらそうにすることはありません。」とお答えになる方がほとんどかと思います。
では皆さんから「白内障のわんちゃんは、眼が見えづらそうな素振りをしますか?」と質問されたときに、私はいつも何と答えていると思いますか?
「白内障がかなり進行するまでは、見えづらそうな素振りをしないことがほとんどです。」とお答えしております。
白内障の代表的な症状としては、ものがぼやけて見える、かすんで見える、二重に見える、などが挙げられるようです。
人間が白内障になると、本を読むときやパソコン・スマホを見るとき、道路標識を見るときなどに不自由を感じる方が多いようです。
わんちゃんねこちゃんの白内障も、人間と同じようにものがぼやけて見えているはずですが、彼らの日常生活にはあまり支障をきたさないようで、見えづらそうな素振りをすることはほとんどありません。
つまり、白内障が原因の視力低下の場合、飼い主様が「うちの子最近見えづらそうな素振りをするのよね...」と感じるころには、かなり進行してしまっているはずです。
白内障が進行すると、眼が見えなくなるのはもちろん、合併症として「ぶどう膜炎」という眼の中の炎症を起こしやすくなります。
当院では、診察の際に必ず検眼鏡で眼の中まで観察するようにしており、来院していただいていれば初期の白内障でも発見することができます。
一度白濁した水晶体は元に戻らないため、早期発見し治療を始めることが大切です。
治療の際には、白内障の進行を抑制する効果が期待できる点眼薬やサプリメントをご提案しております。
「見えづらそうな素振りをしない」とは言っても、やはり生活の不自由さを感じているはずだとは思いますので、体調に不安がない時でもぜひ来院していただき、気付かぬうちに白内障が始まっていないか確認させていただければと思います!